錦織なきATPファイナルズ。フェデラーvsナダルの最終決戦なるか (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 こう語ったフェデラーは、10月に地元のATPバーゼル大会で8回目の優勝をして、今季7勝目を挙げた。同時にツアー通算タイトルが95回となり、イワン・レンドルを抜いて、ツアー史上2位の記録をつくっている(1位は、ジミー・コナーズの109回)。その直後、腰の故障のためにマスターズ1000・パリ大会をスキップしてファイナルズに備えた。現在、最終戦史上最多となる6回、このタイトルを獲得しているフェデラーはロンドン入りしてからもいい練習をこなしており、6年ぶりに自身の記録を塗り替えて7回目の優勝も十分に考えられる。

 ナダルはレギュラーシーズン最後の大会であるマスターズ1000・パリ大会の2回戦に勝利した時点で、2017年シーズンの年間ナンバーワンを決めた。31歳での年間ナンバーワン獲得は、史上最年長記録となった。今季はローランギャロス(全仏)とUS(全米)オープンを含めた6回の優勝を成し遂げた。1年前には左手首の痛みのため戦列を離れていたナダルも見事なカムバックを果たした。

「31歳で年間ナンバーワンになれたことは、素晴らしい結果だし、自分にとってとても重要なことだ」

 ただ、右ひざのケガのためパリ大会準々決勝を棄権したため、8回目のファイナルズに間に合うかどうか不安視されていたが、「月曜日の初戦に間に合うと思うから、ここへ来た。いい練習はできているよ」と前向きな姿勢を見せている。

 実は、ナダルは最終戦で2010年と2013年に準優勝があるものの、まだ優勝したことがない。グランドスラム4大会すべてに優勝し、オリンピック金メダルも獲得。男子国別対抗戦デビスカップでも優勝経験がある彼にとって、ファイナルズは残された最後のビッグタイトルと言われている。

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