土居美咲、苦しい中でも「バカみたい
ですけど、ランキングは考えない」 (3ページ目)
例えば、10月いっぱいでWTAツアーの日程は終了するため、11月以降のITF大会のエントリーを土居が考慮しただけでも、「何を考えているんだ。勝てるって」とザハルカコーチの説教が始まってしまう。決して土居がネガティブに考えているのではなくて、単にエントリーの締め切りやスケジュールの検討をしていただけにもかかわらずだ。
それよりもザハルカコーチは、9~10月の残りのWTAツアーで必ず土居が勝つことを信じ切っており、決して後ろ向きになる発想をしない。
ザハルカコーチは、2015年春のクレーシーズンから土居に帯同しているが、「調子が悪かったり、勝てていないからといって、やることを変えるのはおかしい」と土居に信念を持って言わせるほどの影響を与えている。土居は自分の武器であるフォアハンドストロークを徹底して磨いていくことに変わりはないとしたうえで、試合中での大事な場面でどういったプレーをするべきかをコーチと話し合っていきたいと前を向く。
「試練の年になっていますけど、それがまた選手を強くする」と土橋氏は、今後の土居に期待を寄せる。たとえ歩みが少しずつでも、たとえ泥臭くても、土居は勝利を拾うことができれば自信が芽生え、再浮上のきっかけをつかむことができるはずだ。
「本当にやり続けるしかない。ひとつひとつ、一日一日を大事にして、練習と試合に取り組むことが、(自分に)できることだと思うので、腐らずに頑張ります」
2015年にはシーズン最後のWTAルクセンブルク大会でツアー初優勝を飾ったように、今季残りのシーズンで、土居が巻き返すチャンスはまだまだある。26歳になって、日本女子テニスの中心的な存在である土居の復活を懸けた戦いは続く。
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