ジュネーブ出場は吉と出るか?錦織圭が異例の調整で全仏オープン突入

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 ここ2年のローランギャロス(全仏オープン)では、錦織圭がもしかしたら悲願のグランドスラム初制覇をするのではという期待感があった。それは、彼がクレーシーズンで好成績を収めて、パリ入りしていたからだ。

 だが、今年の錦織(ATPランキング9位、5月22日付、以下同)が、ローランギャロスへ辿り着くまでの道のりは、思いのほか厳しいものになった。今のところ、例年と同じような期待感を持てない状況だ。
パリに入って、調子は上がっているという錦織圭パリに入って、調子は上がっているという錦織圭
 錦織にブレーキをかける要因になったのが、フィジカル問題だった。

 3月下旬のマスターズ1000(以下MS)・マイアミ大会で、右手首と左ひざにトラブルが発生したが、特に右手首の炎症はなかなか完治せず、4月下旬に出場を予定していたバルセロナ大会は急きょキャンセルした。

 5月に入って、錦織は約1カ月ぶりにMS・マドリード大会で復帰し、右手首を気にしながらプレーしてベスト8に進出したものの、準々決勝直前に痛みが再発して棄権した。続くMS・ローマ大会には出場したが3回戦で敗退。クレーで計4試合しか消化できなかった錦織は、急きょ全仏直前週に開催されるジュネーブ大会に、ワイルドカード(大会推薦枠)で出場してベスト4まで進出し、それなりに手ごたえをつかんだと語る。

「体はほぼ問題ないですし、(ジュネーブで)試合ができたおかげで、リズムが戻ってきたり、いい感覚もつかめ始めている。まだまだ修正すべき点はあるんですけど、練習では得られない緊張感の中で、得られるものもあったので、(ジュネーブ大会に出場して)結果よかった」

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