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福井烈から錦織圭へ。「全仏は、
ピーキングができれば優勝できる」 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 手首の痛みというと、昨シーズンにラファエル・ナダルが左手首の痛みに悩まされたことが思い出される。マドリードやローマでは、痛みがあったりなかったりする中でだましだましプレーを続けたが、一番大事なローランギャロス(全仏オープン)では3回戦で棄権を余儀なくされた。

 その後一旦復帰したが、リオ五輪でも、痛みに悩まされながらのプレーとなり、ナダル自身が納得するプレーができず、10月上旬にツアーを終えて休養に入った。

 まず第一に、錦織が痛めているのはテニスでは最も重要な利き手の右手首だけに、慎重なおかつ最善な形で今後の決断を下すべきだ。錦織はケガのことを指摘されると表情が曇るが、10年に及ぶ歴戦の勲章ともいえるもので、何ら恥じることはない。最悪、MS2大会を欠場してでもしっかり治すべきで、ローランギャロスにいい状態でプレーできるように、コーチやトレーナーと一緒にしっかり対処すべきだろう。

 元デビスカップ日本代表監督で、日本テニス協会専務理事の福井烈氏は次のように指摘する。

「まず錦織のプロ10年の成長を評価しなければいけない。そして、ツアーで故障しているのは錦織だけではありません。今傷めているところが全部治るとは考えにくいですが、あまりネガティブにとらえるのではなくて、やはり休みも取りながら、ケガと故障とうまく付き合っていかなければいけません」

27歳になり、プロ10年目に突入した錦織に対して、接戦に強いイメージを持っている人も多いだろう。キャリアにおけるファイナルセットの勝率(4月24日時点)は、依然として錦織が歴代トップだ。1位の錦織が105勝32敗で76.6%。2位のノバク・ジョコビッチが155勝52敗で74.9%、3位のビヨン・ボルグが119 勝41 敗で74.4 %と続く。

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