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フェデラーvsナダルの全豪決勝は
「テニス史に残る名勝負」の予感 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 手術から1~2日後には痛みがひき、フェデラーは、松葉杖での歩き方を学んだ。松葉杖を使ったのは、2005年にじん帯を痛めた時以来だった。スイスでの5週間におよぶリハビリは厳しいものだったが、日々回復するプロセスを楽しみ、ポジティブになろうとした。そして、モチベーションが芽生え始め、徐々に自信も取り戻していった。

 2016年4月のATPマスターズ1000・モンテカルロ大会で復帰したフェデラーだったが、6月のウインブルドン準決勝で、グラス(天然芝)コートで足を滑らせ、再び左ひざを傷めてしまう。それ以降のシーズンはひざのリハビリのあてることに決め、戦列から離れたのだった。

 そして、公式戦の復帰初戦が、2017年全豪オープンとなった。

「6カ月という時間が、復帰に向けて何かを自分にもたらしてくれた」と語ったフェデラー(17位)は、第17シードからの快進撃が続く。3回戦で第10シードのトマーシュ・ベルディヒ(10位)、4回戦で第5シードの錦織圭(5位)、準決勝では第4シードのスタン・ワウリンカ(4位)と、トップ10プレーヤーを3人も破ってみせ、全豪では7年ぶり6度目の決勝進出を果たした。フェデラーの35歳174日での決勝進出は、全豪では4番目の年長記録となる。

「自分は決勝にたどり着いたんだ。日曜日(決勝の日)に、勝てるチャンスがあるということ、それは素晴らしいことだ。対戦するのが誰であろうと、特別なことになるだろう」

 こう語ったフェデラーの決勝の対戦相手は、第9シードのナダル(9位)に決まった。

 ナダルも昨シーズンは左手首の痛みに悩まされたため、10月上旬に早々とシーズンを終了させ、出場資格のあったATPワールドツアーファイナルズは辞退したのだった。

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