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「圭はサーブがよくないが...」。
敗れたシャルディが語る錦織の強み (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


「ブレークされるのが早かったのは、反省すべき点」と語った錦織は、第1セットを先取した直後の第2セット第1ゲーム、第2セットを取った直後の第3セット第1ゲームで、いずれもサービスブレークを許している。そこで相手の戦意を喪失させることができたはずの場面で、逆に生き返らせるきっかけを与えてしまった。

 幸いなことにシャルディはミスが多く、「なるべくブレークされた次のゲームは集中してプレーするようにした」という錦織が、それぞれ直後の第2ゲームをブレークバックできたため大事には至らなかった。ただ、トップ2をはじめ上位選手と対戦する時は、取り返しのつかないことになりかねない。

「それでも1試合目よりはるかによかった。フィーリングだったり、試合の入り方も集中してできた。やっぱり出だしがいいと、自然と流れもよくなってくる」

 大会2試合目をこう評価した錦織。ジュニア時代からの旧知の仲であるシャルディも勝者を称えた。

「圭はリターンがとてもいいですね。サーブが唯一よくないですが、その他のショットは本当にいい。だからトップクラスのプレーヤーなんだと思います」

 現在ツアーで、錦織のセカンドサーブをリターンから強く叩く作戦は、錦織攻略のひとつとして多くの選手が使っているが、そのセカンドサーブに関する興味深いデータがある。

 実は、2016年シーズン通しての錦織のセカンドサーブでのポイント獲得率は55.3%で、ツアーで7位だった。意外と順位はいいのだが、セカンドサーブ自体が勝負できるほど強力という意味ではない。

 錦織がセカンドサーブを打つ時は、サーブで勝負するよりもストロークにつなげてポイントを奪うことに心血を注いでいる。錦織のサーブが1球目として、相手のリターンが2球目、そして、錦織が打つ3球目に秘訣がある。

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