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マイケル・チャンは言う。
「錦織圭の夏は全米オープンが最優先だ」 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 このようにフィジカル強化のスタッフが充実していく一方で、コーチのチャンが果たす役割は、これまでと多少変化しているという。かつては細かい技 術指導が中心だったが、「今は戦術面のアドバイスが主な仕事」。現在、チャンとボッティーニのふたりのコーチは、それぞれどのような役目を担っているのだ ろう?

「僕に関していえば、家族のこともあるので、フルにツアー帯同はできません。でも、ダンテがすべての大会に行き、すべての試合を見ている。僕が圭を直接見るのはトレーニングブロックと、4つのグランドスラム、そしていくつかのツアー大会になります。

 ダンテと僕は、非常にうまくいっていますよ。ダンテとは毎日、相談しています。僕は帯同できないときも圭の試合をテレビで見て、圭とダンテの両方と、試合前や後に戦術面の話し合いを持っています」

 さらにチャンは、昨今の"レジェンドコーチ・ブーム"の理由を次のように分析した。

「最近は多くの選手たちが、元トップ選手をコーチとして探しています。それは選手たちが、『小さいけれど決定的な何か』を求めているからでしょう。経験豊富な元選手とツアーを回ることは、それだけでメリットがあると思います。グランドスラムで戦ったり、決勝戦のプレッシャーを経験したことのない人には、それを克服する術(すべ)を教えるのは難しいでしょう。だからこそ多くの選手が、"少しの違いを与えてくれる存在"を求めている。技術、メンタル、経験......それ らすべてにおいて、元トップ選手は助けになると思います」

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