【テニス】リミットは全仏。日本人は何人「リオ五輪」に出場できるか (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 もっとも、このような悩みを抱えているのは、日本人選手たちに限ったことではない。オリンピックは、今では多くの選手が「出たい」と口を揃える大会であるが、同時に年4回のグランドスラムで好成績を残すことや、毎週のように開催されている大会を戦い、体調やランキングを維持していくことも、テニス選手にとっては何にも増して重要だからだ。

 ダニエルは「オリンピックは絶対に出たい」と情熱を見せながらも、それに心をとらわれてランキングを気にしたり、出場大会等のスケジュールを左右されるようなことはしたくないとも考えている。そのような選手たちの事情等も頭に入れつつ、この初夏のテニス界の動向を見ていくと、また一層趣(おもむき)深いのではないだろうか。

 なお、やや余談になるが、オリンピックのテニス競技は前回のロンドン五輪から、98年ぶりに混合ダブルスを復活させた。混合ダブルスの出場枠は16チームで、これはすでにシングルスとダブルスに出場している選手たちが、現地会場で登録することでエントリーが決まる。ということは、日本では錦織と土居の混合ダブルス結成......という可能性もなくはない。

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