【テニス】リミットは全仏。日本人は何人「リオ五輪」に出場できるか (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 日本人2位の日比野菜緒も、世界ランキング61位で当落線上につけている。現在は、右肩の関節部に見つかったガングリオン(結節腫)の治療に専念するため、2大会の出場を見送りリハビリ中。昨年ツアー優勝を果たしてランキングを急上昇させた日比野は、「日の丸を背負うことにものすごく憧れている」と常々公言し、オリンピック出場を熱望している選手である。それだけに、五輪出場権がかかった全仏オープンにかける気持ちは、誰よりも強いはずだ。

 これまで名を挙げてきた選手以外で、今後出場権内に飛び込む可能性がある選手ということで言うと、男子では89位のダニエル太郎、女子では84位の奈良くるみがいる。ただ、いずれも状況的にはかなり厳しいと言わざるを得ないだろう(大坂なおみは現在104位なので、出場はかぎりなく難しい)。

 14歳からスペインを拠点とするダニエルには"クレー巧者"のアドバンテージがあるが、上位勢が集うツアー大会への出場はランキング的に難しいため、現時点で全仏前に出る予定なのは、ボルドーでの「ATPチャレンジャー(下部レベルの大会)」のみ。そのような現状は奈良にしても同様で、現在やや体調を崩していることもあり、全仏前にストラスブールのツアー大会に出るかどうか、様子を見ている状況だという。

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