ミロシュ・ラオニッチ、絶好調の秘密は「新レジェンドコーチ」 (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 そう言うとラオニッチは、続ける。

「加えて今シーズンの僕は、より多くネットに出ていくようにしている。だからサーブのときには、常に『6つのオプション』が存在することになるわけだ。

 トーナメントの序盤で対戦する相手になら、今までのようにして勝てるだろう。だが、トップ10の選手はサーブコースの読みが当たれば、必ずそれをリターンでモノにする。だから、多くの選択肢を持ち、相手により多くを考えさせることは、非常に重要なんだ」

 簡にして要を得るこの回答は、今シーズンの彼の戦績を見れば、さらに説得力を持つ。今シーズンはケガの影響でまだ3大会しか出られていないが、勝敗は14勝2敗。シーズン開幕戦のブリスベン国際は、決勝でロジャー・フェデラー(スイス)を破り優勝。全豪オープンでは準々決勝でフルセットの激闘の末にアンディ・マリー(イギリス)に敗れるも、試合中に彼を襲った足の負傷さえなければ、あるいは勝てていたと思わせる内容だった。

 そして、先週のBNPパリバオープン(ATPマスターズ1000)では準優勝。今シーズンすでにフェデラー、スタン・ワウリンカ(スイス)、トマーシュ・ベルディヒ(チェコ)と3人のトップ10選手を破っている事実も、彼の言葉と取り組みの正しさを裏付けている。

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