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ミロシュ・ラオニッチ、
絶好調の秘密は「新レジェンドコーチ」 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 ボディへのサーブを用いることで、エース数は減ったが、勝率は飛躍的に上げたラオニッチ。とはいえこの変化は、ロジカルな若きサーブ王にとっても、当初は抵抗のある舵切りであったという。

「フリーポイント(エースやサービスウイナーなど、少ない労力で奪えるポイント)が欲しくない選手なんていないさ」

 そう言って笑みを浮かべつつ、彼は決断の背景に、新たな"レジェンドコーチ"の存在があることを強調した。

「カルロスのアドバイスが、何よりも大きい。彼がコーチになったときから、これはずっと話してきたことなんだ。たしかにボディを多く使うことは、これまでも考えなかったわけではない。でもなかなか、変える決断はできなかったんだ」

 自らのサーブの威力を知るからこそ、なおのこと変化を恐れたラオニッチの背を押したのは、かつての世界ランキング1位のカルロス・モヤ(スペイン/39歳)。リターンを得意とした屈指のストローカーであり、ラオニッチとは、正反対とも言えるプレースタイルの選手である。

 ふたりの新たな師弟関係の始まりは、昨年末の神戸であったという。各国の新旧トッププレーヤーが一堂に集い、チーム戦を戦う『インターナショナル・プレミア・テニスリーグ(IPTL)』が神戸で開催された昨年12月、モヤとラオニッチは会談を持ち、コーチ就任の可能性を話し合った。それまでにも、ラオニッチサイドは代理人を通じてモヤに打診を入れていたが、ふたりが直接会って話を進めたのは、このときが最初であったという。

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