2016年、世界と勝負する日本テニス界の若手女子選手たち (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 その土居さんも含めて、現在トップ100にいる3人の選手は陣営もしっかりしているし、やるべきことも明確になっている。「こういうテニスをやりたいんだろうな」というのが見えるので、それを根気強く続け、課題をひとつひとつクリアしていけば、もっと上に行けると思います。

 一方、その下にいる100位~200位の選手たちには、1万ドルや2万5千ドルの大会から抜け出し、WTAツアーを周っていく勇気を持ってほしいです。ツアーに行くと勝てないことも出てきますが、つらくてもツアーの予選を勝ち上がり、本戦でひとつでも勝ってほしい。そこはコーチたちも含めて、もう少し我慢強く挑戦し続けてほしいと思います。100位台の選手のなかにも、挑戦し続ければツアーレベルに定着できる選手はもっといます。私自身もランキングが100位台だったころは、どんどんツアーに予選から挑戦していましたから。

 私自身は今の日本女子テニスを見ていて、自分が戦っていた1990年代の影響を感じることはないですよ(笑)。感じるとしたら、伊達さんが頑張っていること。40歳を過ぎてもあれだけ頑張れるのは、相当な気持ちの強さと、徹底した自己管理ができているから。その必要性を示してくれているなと思いますし、実際に勝ってもいるわけですから、他の選手たちへの刺激は絶対にあります。

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