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ターニングポイントを嗅ぎ分ける「勝負師・錦織圭」の資質 (4ページ目)

  • 内田暁●構成 text by Uchida Akatsuki   photo by Getty Images

 テニスにおいて、強い選手とは往々にして、「大切なポイントを取れる選手」だと言われている。錦織はどのようにして、その「大事なところ」を嗅ぎ分けるのか?

「なんとなく、ここが大事なところだとか、取らなくてはいけないポイントだということは、頭で分かっています。『次のポイントが大切だ』と、ちょっと頭に入れておくだけで、違いは出てくる。そういうのは、パッとできていると思います」

 この勝利で錦織は、昨年に続いてベスト8へと進出した。しかも、ここまでの3試合は、すべてストレート勝ち。落としたゲームは、わずかに10(6セット)。これは、今大会のベスト8進出者の中で、ダントツに少ない数字である。個々の試合のみならず、トーナメント全体をひとつの流れとして見たとき、体力を温存し、調子も上げてきたここまでの勝ち上がりは、完璧に近い物語のつむぎ方だろう。

 そして2週間の大会も、いよいよ中盤から終盤戦へ――。

 世界ランキング24位のジョン・イスナー(アメリカ)と対戦する次の準々決勝が、終盤戦最初のターニングポイントとなる。

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