2014.06.07

【車いすテニス】全仏優勝の上地結衣。途絶えかけたテニス人生

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto

 フランス・パリのローランギャロスで開催されている全仏オープンテニス。6日に行なわれた車いすの部女子シングルス決勝で、上地結衣(エイベックス・グループ・ホールディングス)がアニク・ファンクート(オランダ)を7-6(7)、6-4のストレートで下し、初優勝を果たした。

※括弧内の数字はタイブレークでの相手のポイント。

20歳の若さで快挙を達成し、今後の活躍に期待がかかる上地結衣「やったー!!」

 ファンクートのリターンがアウトになると、上地は両手でガッツポーズを作り、高らかに声を上げた。観客席で立ちあがるコーチと目が合うと、思わず涙がこぼれた。初出場だった2年前は1回戦負け。昨年は出場できなかった。さらに、今年1月の全豪オープンは決勝に進みながらも準優勝に終わっただけに、喜びはひとしおだ。

 大会前、上地はこう話していた。

「今年中にグランドスラムのタイトルを獲りたいですね。できれば千川(理光)コーチが帯同してくれる全仏で」

 20歳の若きテニスプレーヤーは、恩師の目の前で有言実行を成し遂げてみせた。

 決勝の相手・ファンクートはロンドンパラリンピック銀メダリストの強敵だ。手首の手術のため、しばらく大会には出場していなかったが、今年の3月に復帰すると、順調な仕上がりを見せ、今大会は第2シードで優勝候補のひとりだったエラーブロック(ドイツ)を準決勝で破り、ファイナルに進出してきた。上地はロンドンでこのファンクートに敗れ、ベスト8に終わっている。上地にとっては、この全仏のタイトルを獲るためだけではなく、今後さらなる成長を遂げるためにも、乗り越えなければいけない大きな壁だった。