マイケル・チャンと松岡修造が語る、錦織圭の未来
1973年から始まった現行の世界ランキングにおいて、日本男子初のトップ10プレーヤーになった錦織圭。5月25日にパリで開幕したローランギャロス(全仏)では、日本男子最高の第9シードとして、グランドスラムの舞台に立った。
全仏で1回戦敗退となった錦織圭 ATPランキング10位(大会時)の錦織は、この歴史的快挙を冷静に受け止めていた。
「メディアではトップ10と騒がれますが、12位から2個上がったからといって、何かが変わるわけではないので、これを持続してここから7位、6位、5位に入っていければ嬉しい。まだまだランキングが前後すると思う。1年をとおして、しっかりしたプレーができれば、もっと上がっていくと思います」
大会前にこう語っていた錦織だが、春に痛めた左足股関節の炎症や、全仏前の大会(マドリード)で悪化させたでん部や左足ふくらはぎのケガが回復していなかったため、スキップ(欠場)することも考えていたという。しかし、「出られない痛みではない」と出場に踏み切ったのだ。
結果は1回戦敗退。前哨戦のATPミュンヘン大会で優勝していたマーチン・クリザン(59位)に、6-7、1-6、2-6のストレートで敗れた。
「グランドスラムに100%の状態で臨めないのは悔しかったですけど、それでも、今年はクレーでいいテニスができたので満足はしています」
錦織は14年シーズン前半にツアーで2勝を挙げ、全仏の前に開催されたATPマスターズ1000・マドリード大会(グランドスラムに次ぐグレード)では初めて決勝進出を果たした。
結果はでん部を痛めて途中棄権。準優勝だったが、"クレーキング"と呼ばれるラファエル・ナダルに対してテニスのクオリティで上回り、6-2、4-2、とあと一歩のところまで世界ランク1位を追い詰めた。
「ナダルにもあれだけ自分のテニスがしっかりできて、前半は押せていたので、かなり自信になった。来年、再来年のクレーに向けて、いいテニスができ上がってきている」(錦織)
その好成績に、今季からコーチに就任したマイケル・チャンの影響があったのは間違いなく、それは錦織自身も認めている。
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