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【テニス】錦織圭インタビュー「信じられないくらいいい方向に向かっている」 (2ページ目)

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi
  • photo by Ko Hitoshi


――昨年のオフには、シカゴで2週間のフィジカルトレーニングをしました。ツアーの連戦に耐えて、ケガをしない体づくりが今後も目標のひとつでしょうか。
そうですね。まずは体力をつけることが課題です。体も大きくしようと思っています。トレーニングの成果が、こんなに早く出るなんて、変な感じというか意外でした。でも、そのオフシーズンがあってこその今回の結果だったと思います。

――体重やそのほかの数値の変化はありますか?

昨年より体重が2kgぐらい増えています。たぶん筋肉の量が増えて、見た目も違ってきていると思いますし、変化はありますね。

――準々決勝では、「ビッグ4」のひとりと言われるアンディ・マリーと戦いました。
マリーは、ディフェンスがうまかったり、スライスでうまく逃げてきたり。こちらが攻めていても、いいディフェンスをして、そこから再び攻めてくる。動きも速いですし、展開も早く、簡単なミスもない。スピードが一番違いますね。

――ブラッド・ギルバートコーチの帯同契約は、2011年で終わり、今年はダンテ・ボッティーニコーチだけが帯同しています。
ブラッドとの契約を更新する考えもありました。昨年、彼からたくさんの知恵を得ることができましたが、今年はダンテコーチと進もうと思いました。

――その知恵の中で、いちばんプラスになったものは何ですか。
たくさんの選手の情報を得ることができましたし、自分のサーブを直してもらえたこともプラスでしたね。

――昨年春、サーブのテークバックがコンパクトになりました。ラケットを振り上げた時に、右ひじの位置が、右肩とほぼ同じ高さになりました。以前は、右ひじが下がりがちで、効率よくパワーがラケットに伝わっていなかった部分の修正でしょうか。
そうですね。その部分です。

――今シーズン、これからの新たな目標はありますか。

やはり、これ以上、どんどん上を目指していきたいと思います。


 今回のオーストラリアンオープンで、ミックスダブルスを錦織と組んだクルム伊達公子は、「錦織君が、本当に調子がいい時には、準決勝や決勝へ必ず行ってくれるだろう。それができる選手だと思っています」と期待を寄せた。クルム伊達は、1994年オーストラリアンオープンで準決勝に進出した実績があるだけに、彼女の言葉には重みと現実味がある。

 22歳になった錦織は、08年USオープンで、18歳ながらベスト16入りしたことを、当時、「すごい夢みたいな気持ちを持っていた」と振り返ったが、今回の結果は、当然のように受け止め、まるで浮き足だっていない。トップ20入りをほぼ決めた錦織は、今シーズン、かつての伊達公子のように、世界のトップ10入りを果たしてくれるかもしれない。

 確実に強くなった錦織圭は、今、上だけを見ている。

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