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元ラグビー日本代表WTB福岡堅樹は現在33歳の医学部6年生「普通の大学生になると、運動ってこんなにしないものなんだ」 (3ページ目)

  • 齋藤龍太郎●取材・文 text by Ryutaro Saito

【選手と受験生との両立が一番しんどかった】

 福岡の現役ラストイヤーとなったトップリーグ2021シーズン、5月23日の決勝でワイルドナイツはサンゴリアスを31-26で撃破し、5度目の優勝を果たした。5シーズンぶりの王座奪還に大きく貢献した福岡は、シーズンのベストフィフティーンとMVPに選出された。

 完璧と表現しても差し支えないラグビーキャリアの締めくくりとなったが、福岡はその裏側で順天堂大学医学部の受験勉強とワイルドナイツでのトレーニングを両立する、ハードな日々を送っていた。

 2021年2月20日のトップリーグ開幕戦のキックオフ直前に、晴れて合格の知らせを受けた福岡だったが、受験期間のみならず大学入学後の4月以降もトップアスリートとしての生活を並行して続けていた。

「選手と受験生、医大生を両立していましたが、一番しんどかった時期かもしれません。ただ、受験までの時期に関してはチームの協力もあって受験のほうに軸足を移させていただき、太田(群馬県太田市/当時のチーム拠点。現在は埼玉県熊谷市)に行く機会を減らしてもらいました。

 週1回くらいしかトレーニングに行けないような状況でしたが、それ以外の時間は基本的に東京で受験に備えて勉強していました。チームがそれを了承してくれたおかげで、なんとか受かることができました」

 ふたつの道を両立する過酷な時期から早5年。アスリートから医大生に転身した当初は、とまどいや悩みはなかったのだろうか。

「そこまで大きな苦労はありませんでしたが、アスリートから普通の大学生になると、『運動ってこんなにしないものなんだな』と痛感しました。それまでは当たり前だったトレーニングがなくなった物寂しさみたいなものは少しありましたし、自分で意図的に時間を作ってやろうとしないかぎり運動しないので、自宅でトレーニングをするようになったわけです」

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