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【ラグビー日本代表】リーチ マイケルが語る名将エディーのトリセツ「超速を意識しすぎると、ちょっとしんどい」 (3ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【自分で考えて行動する必要性】

 超速をプレー選択のファーストチョイスとしながら、臨機応変に判断を下してゲームをコントロールしていく。プレーの判断も含めてテンポやリズムを考えながら、速さを追求していくということなのだろう。

「わかりやすいところで言えば、相手のディフェンスが揃った状態で、無理やりぶち込むというか、どんどん前へ出て行っても、相手はデカいし消耗する。エネルギーをたくさん使ってしまう。

 それならば、ディフェンスが揃っている時はキックをうまく使って、相手のディフェンスが散らばったところで『超速』へシフトする。相手のディフェンスがリカバリーしてきたら、また蹴る。そういうイメージ、そういうバランスの試合を、作っていかないといけない。

 そうすると、見ていて楽しいラグビーになっていくのでは。超速を意識しすぎると、ちょっとしんどいですからね。

 7月のウェールズとの連戦では、第1戦に24-19で勝ち、第2戦は22-31で負けましたけど、ある程度、理想に近いところまで持っていけた。あとは、80分間のゲームコントロールです。

 選手からもっとこうしたい、という声がどんどん出てくれば、もっとよくなると思います。ヘッドコーチのエディさんが言うことをやろうとするのは、選手としては当然でしょう。ただ、それでうまくいかないことがあったら、試合後のレビューで『次の週はもっとこうしたい』というやり取りを、どんどんやっていきたいんです」

 10年前のあの南アフリカ戦で、リーチはジョーンズHCと違う決断を下し、世紀のアップセットを生み出した。実際にプレーしている選手の肌感覚は、やはり大事なのである。

「僕が言いたいのは、試合のもっと前、準備の段階です(苦笑)。コーチ陣とどんどんコミュニケーションを取っていけば、チームはもっとよくなる。自分で考えて行動する。自主性、大事です」

 今年7月のウェールズとの連戦では、これまでどおりリーチがキャプテンを務めた。自身が合流しなかった8月末のカナダ戦では、LOワーナー・ディアンズが初めてキャプテンに指名された。23歳にして24キャップのディアンズは、昨シーズンまで東芝ブレイブルーパス東京のチームメイトだった。

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