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【ラグビー日本代表】リーチ マイケルが語る名将エディーのトリセツ「超速を意識しすぎると、ちょっとしんどい」 (2ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【11月のツアーは成長のチャンス】

「10年前は、中学生とか高校生だった選手たちが、今度は日本代表として戦うことになる。それは彼らのモチベーションになるでしょうし、もちろん勝ちにいかないといけない試合です。2027年ワールドカップの2年前に、最高のチームと対戦できるチャンスです。相手は相当にレベルが高いですけれど、このチャンスをモノにしたい。

 僕自身、南アフリカ戦への思いは強いです。世界のトップ・オブ・トップ相手に、スクラム、タックル、ランと、いろいろなところで勝負できる。世界トップのスタンダードを、肌で感じることができるのは大きい。準備の段階からどれだけ勝ちを意識してできるかが、すごく大事になると思います。

 どういう結果になるとしても、試合後にレビューすると、準備してできたところと準備してもできなかったところが出てくる。それをチームとして、個人として、レベルアップにつなげていく。

 11月1日の南アフリカ戦で終わりではなく、次の週からもアイルランド、ウェールズ、ジョージアと対戦する。この秋のツアーはすごくいいものになるので、そこでどうやって成長していくのかが、2027年のワードカップにつながると思います」

 2024年に2度目の代表監督に就任したエディ・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は、就任とともに「超速ラグビー」をチーム作りのテーマに掲げた。2025年は「超速AS ONE」へアップデートし、パス、ラン、キックの速さ、考える速さ、連係・団結の速さを追求する。「AS ONE」はValue(共通の価値観)、Goal(明確な目標)、Action(具体的なアクション)を意味する。

「超速ラグビーについては、僕ら選手の理解も進んでいます。昨年はボールを持ってスピーディーに走ることがすごく強調された感じでしたが、それだけでは絶対に勝てない。自分たちのいい状態で、どれだけボールを持っていくか。

 ボールが前へ出ている時、早く出ている時はどんどん超速して、ボールがちょっと遅くなりそうな時には、蹴ることも考える。蹴ったらディフェンスでどんどんプレッシャーをかけて、相手が蹴り返したボールをまた保持して、速くアタックしていく。

 そこでは、一つひとつのトランジションのところを、どれだけ速くできるのかが重要なポイントになってきます」

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