ラグビー日本代表の新世代SOは「早慶戦で一度も勝てなかった男」 25歳「いちご」の本心 (4ページ目)
【メンバーに選ばれなくても】
昨秋の代表初招集も大きなプラスの要素だ。
「去年は『みんなについていくだけ』みたいな感じがありました。ですが、10番(SO)、15番(FB)の立場として、そのような振る舞いではみんなからの信頼は得られません。今はそこを意識しながらすごしています」
もちろん初キャップ(テストマッチ初出場)への意欲は人一倍強い。中楠もそれを隠してはいないが、最後に本心を打ち明けてくれた。
「キャップがほしいという思いはありますし、それを目指してやっていますが、それよりもどこまで自分にポテンシャルがあって、どこまで能力が高い中楠一期を作れるか、それが楽しみです」
メンバーに選ばれる、選ばれないにかかわらず、最大限成長したい──。
25歳になったばかりの次代の司令塔は、慶應のタイガージャージー、ブラックラムズの黒ジャージーに続き、デザインを一新したばかりの赤と白の桜のジャージーに袖を通すことができるか。彼のさらなる成長と、今後のメンバー発表に注目したい。
著者プロフィール
齋藤龍太郎 (さいとう・りゅうたろう)
編集者、ライター、フォトグラファー。1976年、東京都生まれ。明治大学在学中にラグビーの魅力にとりつかれ、卒業後、入社した出版社でラグビーのムック、書籍を手がける。2015年に独立し、編集プロダクション「楕円銀河」を設立。世界各地でラグビーを取材し、さまざまなメディアに寄稿中。著書に『オールブラックス・プライド』(東邦出版)。
【写真】笹崎里菜アナ&忽滑谷こころアナ(日本テレビ)「日テレ女子アナラグビー部」インタビューカット
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