ラグビー日本代表の「新10番」を探せ! 先輩SO田村優が「向こう10年、代表をリードする」と絶賛する逸材も (2ページ目)
【兄弟そろって日本代表の可能性も】
「アタックが好きなので、自分は『超速ラグビー』は向いているんじゃないかと思います」
そう話していた髙本を、ジョーンズHCは2度ほど招集した。しかし、その時は日本代表に定着することができなかった。
ただ、左足からの正確なキックは大きな武器だ。ゲームコントールやタックルも年々上達している。今季から就任した小野晃征HCのもと、サンゴリアス不動の10番としてチームをリーグワン初優勝に導くことで、ジョーンズHCに強くアピールしたい。
2シーズン連続でリーグ戦を1位通過した埼玉ワイルドナイツは、昨季もプレーオフ決勝で敗れた。しかもこのオフ、司令塔の松田がヴェルブリッツに移籍。新たな10番として期待されているのが、日本代表SO/FB山沢拓也の弟・山沢京平(26歳)だ。
兄と同じ深谷高に進学して花園に出場したのち、高校卒業後は名門・明治大学へ。得意のキックを活かすために最初はFBで出場することが多かったが、大学3年時は田中澄憲監督(当時)に見出されて10番を背負い、大学選手権ではチームの準優勝に貢献した。
大学卒業後に選んだチームは、兄と同じ地元の強豪ワイルドナイツ。ただ、ルーキーイヤーはケガの影響もあって試合に出ることは叶わなかった。ただ、2023年6月のニュージーランド留学で大きく成長を遂げ、昨シーズンは主にFBとして11試合に出場できた。
そして今季は、練習試合からSOとして起用されている。パス、ラン、キックとアタックスキルに長けた選手なので、10番のポジションを兄・拓也と分け合いながら出場しそうだ。名将ロビー・ディーンズ監督も「山沢京平は成長している。10番を始めたばかりだが、責任感を持って練習に取り組んでいる」と目を細めた。
松田が移籍したことは「あまり気にしていない」と山沢は言う。ただ、ワイルドナイツの新司令塔として王座奪還に導けば、ジョーンズHCも放っておかないはずだ。もしかしたら兄とふたり揃って日本代表で活躍する日が来るかも知れない。
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