ラグビー日本代表「リーチの後継者候補」 ニュージーランド出身で日本語がペラペラの24歳は何者? (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【初の日本代表でリーチのプロ意識に感銘】

 来日して6年。昨年にはIPU・環太平洋大出身の日本人女性と結婚した。いまや日本語もペラペラだ。このインタビューも通訳は介在していない。大学入学前の「J.TEST(実用日本語検定)」テストに合格するため、一日6時間、日本語を勉強したことが大きな土台になったという。

 来日当初は日本語も不慣れだったが、「ラグビー部のチームメイトがゆっくりしゃべってくれたり、いろいろ教えてくれたりして、すごく優しく接してくれた」と懐かしそうに振り返る。ただ、日本語がうまく通じずにキングサイズの牛丼を注文してしまったこともあったが、その後も週2回、食べ続けて来日時91kgだった体重を100kgまで増やすことができたと笑う。

 コストリーは大学卒業後、リーグワン1部の強豪スティーラーズに加入する。来日時の目標であった「日本でプロ選手となる」夢を叶えた。そして次に「3年以内に日本代表になる」と掲げると、それも1年半あまりで達成した。

 アーリーエントリーでシーズン途中から合流したスティーラーズでは、元南アフリカ代表のFLマルセル・クッツェーや2023年の世界最優秀選手に選出されたオールブラックスのFLアーディー・サヴェアといった、世界トップレベルの選手たちとバックローを組んだ。

「マーシー(クッツェー)からはリーダーシップやフィジカル、アーディーからはラックやタックルの細かいスキルをたくさん学びました」

 そして、今年6月には初の代表招集で、リーチと一緒に汗を流した。

「リーチさんは、オフの日でもバイクを漕いだり、常にボトルを持っていて水を飲んだり、体のメンテナンスに関する細かい行動をたくさん実践していた」

 そういったリーチのプロフェッショナリズムに、大いに感銘を受けたという。

 日本代表を率いるジョーンズHCは、チームのコンセプトに「超速ラグビー」を掲げている。ジョーンズHCの示す方向性についてコストリーに聞いてみると、「すごく自分に合うと思っている」と語気を強めた。

「テンポの速いラグビーで、強い大きな相手に対してどうボールを動かせるか。私はそのテンポで相手より速く動くことができると思うので、超速ラグビー、好きです!」

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