リーチマイケルの「34歳とは思えない」パワーでチリ粉砕 イングランドとの大一番で再び「奇跡」を起こせるか? (2ページ目)
【リーチマイケルの豊富な国際経験が表れた試合】
この試合でひと際輝いていたのは、やはりFLリーチ マイケルだろう。前半は力強いランからチャンスを作り、後半13分には相手を突き放す4トライ目を奪取。守備面でもジャッカルやタックルを15回も試みるなど、34歳とは思えぬ力強さでまったく衰えを見せなかった。
過去2大会、リーチはキャプテンとして臨んだ。しかし今大会は「自分のプレーに集中したい」と特別役職に就かなかった。初戦から出色の出来を見せたのは、それもあるだろう。
ワールドカップ4大会目の出場となるリーチは、このチリ戦で通算14試合目。「鉄人」トンプソン ルークの持つ記録と並んでトップタイとなった。また、通算81キャップは「うなぎステップ」で名を馳せたWTB小野澤宏時と並んで歴代2位タイ。次のイングランド戦に出場すれば、通算試合数はトップに、通算キャップ数は2位となる。
ただ、当のリーチ本人は「(数字は)数えていなかったし、考えていなかった」とまったく気にかけていない様子。それより、チリの大応援を受けて「予想していなかったのは(チリ代表の応援の)観客の熱さ。アウェー感があった」と語り、「80分間通して相手にプレッシャーをかけ続けることができて、勝ちきれたことはよかった」と安堵の表情を見せた。
先制トライを許したことには「すぐに切り替えられた」と語り、自身のトライシーンについては「狙いどおり!」と語気を強めたリーチ。彼の豊富な国際経験が表れた試合となった。
また、懸念されたキャプテンNo.8姫野和樹の直前での欠場についても、リーチは冷静に状況を見つめている。「本人は(初戦から)いけると言っていたが、ここで試合に出てケガしたら、来週(イングランド戦)迷惑をかける。来週、姫野が爆発してくれることを期待したい!」。
今夏の強化試合では1勝5敗と、日本は調子の上がらないままワールドカップ本番を迎えた。しかし、大事な初戦でチリに快勝したことで、リーチも「勢いに乗れると思います!」と声を弾ませた。
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