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今季初の早明戦で輝き放ったワセダ2年生。「日本代表キャップのために」HO転向したデビュー戦で弾けるような笑顔 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

桐蔭学園出身HOが多い対抗戦

 前半早々、佐藤はラインアウトのボールを明治大の190cmを越える長身LO(ロック)に2回連続スチールされるなど、安定感を欠くプレーも見られた。それに対し、試合後の反省も欠かせない。「スローイングはまだ始めたばかりですが、しっかり(課題を)持ち帰って、球の種類などひとつひとつのディティールにこだわってやっていきたい」(佐藤)

 一方、スクラムではコラプシング(スクラム、ラック、モールを故意に崩す行為)の反則を一度取られたものの、しっかりと組めている場面が多かった。佐藤自身も手応えを感じていたようで「自分の引き出しが多くない。だから(元日本代表プロップの)仲谷(聖史)コーチもいるので、引き出しをもっと多くしてスクラムを安定させるHOを目指していきたい」と前向きに捉えていた。

 これからの対抗戦を見据え、「(相手チームには)桐蔭学園出身のHOが多い」と語る佐藤は、先輩・同期とのマッチアップを楽しみにしているという。

 今回の試合でも2学年上の明治大HO紀伊遼平(4年)と相対して、「スクラムのなかで話す機会がありました!」。筑波大には1年先輩のHO平石颯(3年)、さらに慶應義塾大には一緒に花園連覇を成し遂げた同級生のHO中山大暉(2年)もいる。

 早稲田大の今季の目標はもちろん、打倒・帝京大、打倒・明治大、そして大学王座を奪還することだ。佐藤は「機動力はNo.8のまま、セットプレーを安定させるHOになりたい。そして2年生になったので、しっかりとチームを勝たせる選手にならないといけない」と意気込む。

 日本代表になるため、そして世界で戦える選手になるため、佐藤は「2番」として新たな道を歩み始めた。

「あらためて(HOというポジションは)楽しかったです! 明治大に負けたことは悔しいですが、スローイングやスクラムで課題が出たので、すごく意味のある試合だったと思います。この負けが最終的に自分を成長させてくれたと思えるようなシーズンにしたい!」

 そう言って、佐藤はトレードマークである大きな笑顔を見せてくれた。

早明戦は明治に軍配。勝敗を大きく 左右したスクラム、FW力の差

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