メンタルのことは「C・ロナウドに聞いてみたい」。横浜キヤノンイーグルス・小倉順平の冷静と楽観のラグビー論 (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo byスポニチ/アフロ

 小倉が思い描くのは、2019年に日本で開催されたラグビーW杯の盛り上がりだ。

「日本にW杯がきて、視聴率もすごかったし、異常なぐらいラグビーが注目された。僕は解説でいろんなところに行かせてもらったんですが、本当に1試合ごとに注目度が上がって、人が増えていくのが感じられたんですよ。それは心の底からうれしかった。あの盛り上がりまでは難しいかもしれませんが、新しいリーグが少しでも盛り上がって人気が定着してくれるといいですね」

 そのためには、まずはラグビー自体の面白さが必要になる。横浜キヤノンイーグルスが目指すラグビーは、どういうスタイルなのだろうか。

「ボールが動いて、止まらない。見ていて楽しいラグビー、それを目指していきます。そこで自分が果たす役割は、どれだけスペースにボールを運べるように促すか。それに尽きますね」

 昨年はコロナ禍の影響で試合が大幅に削減され、リーグ戦5位、プレーオフも5位に終わった。今年のチームの目標は優勝だが、強豪チームが多く、「まずはグループの上位に入ることが目標」と冷静だ。自分たちのラグビーを完成させつつ、上位進出を狙う。

「個人としては、長いリーグ戦のなかで、メンバーに入る、入らない時もあると思いますが、チームが勝つためにできることを考えてプレーしたいですね」

 シーズン開幕にあたり、今は厳しい練習が続いている。その最中、チームの完成度、自分の役割、ポジション争いなど、いろいろ考えることもあるだろう。また、結果を出すことはもちろん、日本代表復帰など求められることもいろいろとある。

「まずは、今を生きます(笑)」

 小倉は、明るく、そう語る。

 その姿勢は、ラグビーを始めた時から変わらない「全力少年」そのものだ。

FMヨコハマ『日立システムズエンジニアリングサービス LANDMARK SPORTS HEROES

毎週日曜日 15:30〜16:00

スポーツジャーナリスト・佐藤俊とモリタニブンペイが、毎回、旬なアスリートにインタビューするスポーツドキュメンタリー。
強みは機動力と取材力。長年、野球、サッカー、バスケットボール、陸上、水泳、卓球など幅広く取材を続けてきた二人のノウハウと人脈を生かし、スポーツの本質に迫ります。
ケガや挫折、さまざまな苦難をものともせず挑戦を続け、夢を追い続けるスポーツヒーローの姿を通じて、リスナーの皆さんに元気と勇気をお届けします。

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