明治大、敗れるもブレずに「前へ」。箸本主将は威風堂々「やり切れた」 (2ページ目)
しかし、12月19日に行なわれた準々決勝の日本大(リーグ戦3位)戦は34−7で勝利したものの、決していい内容ではなかった。箸本は準決勝に向けて「(日本大戦は)モチベーションを上げるのが難しかった。練習からうまくいっていなかったのに、試合でうまくいくわけがない」と気を引き締めた。
その檄もあってか、選手たちは練習から集中力を持って取り組むようになったという。コロナ禍で寮のある東京・八幡山から電車に乗ってでかけない生活を続けてきたが、クリスマスイブにはプレゼント交換をし、コロナで簡略化したが恒例の餅つきも行なうなど、適度にリフレッシュして準決勝を迎えた。
「明治大から仕掛けていきたい」
箸本は腕を撫して天理大戦に臨んだが、キックオフ直後、いきなり相手にボールをキープされて先制トライを許す。それでも、明治大は副将LO(ロック)片倉康瑛(4年)を中心にラインアウトでプレッシャーをかけて、敵陣に入るとボールを積極的に動かして24分には5−5の同点に追いついた。
しかし、前半残り10分と後半最初の10分の計20分、明治大は天理大にモメンタム(勢い)を渡してしまう。SH(スクラムハーフ)藤原忍、SO(スタンドオフ)松永拓朗、そしてサンウルブズでも活躍したCTB(センター)シオサイア・フィフィタ(いずれも4年)を擁する天理大自慢のアタックを止めることができなかった。
天理大は藤原がテンポよく素早くボールをさばくため、明治大はディフェンスをセットできずにプレッシャーを与えることができなかった。どうにか止めようと接点でファイトするも、逆にペナルティを犯してしまう負の連鎖に陥ってしまった。この20分間に4トライを失って5−31となり、試合の趨勢は天理大に大きく傾くことになる。
ただ、残り30分。まだ時間はある。明治大はディフェンスを修正したことで攻撃に転じることができ、意地の2トライを重ねた。しかし、15−31となった後半33分、最も警戒していたフィフィタに突破を許し、最後はWTB(ウィング)土橋源之助(4年)にトライを献上して万事休す......。
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