エディー語録はピリッと辛口。でも、その内容はウィットに富んでいる (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 日本代表がなかなか勝てない時、ジョーンズHCがこう言っていたのを思い出した。

「トヨタ自動車のクルマは30年経って大きく進化したのに、なぜ日本ラグビーは同じように変わらないのか?」

 世界中のラグビーファンが注目したニュージーランド代表との一戦。準決勝の前に、ジョーンズHCはまたも独特な言い回しで笑いを取っていた。

「サムライは日本の歴史において、神秘的なキャラクターです。オールブラックスについても同じで、だから日本人はハカが好きなのです。多くの日本人が(ニュージーランド代表)黒いジャージーを持っています。(日本人の)私の妻もそうです。彼女にオールブラックスを応援するのをやめさせないといけませんね」

 また、ニュージーランド代表戦に向けて練習をしていた時、ジョーンズHCは練習場のとなりの高層マンションから望遠レンズで撮影していた人に気づいたという。すると、「誰かが撮影していました。ファンかもしれませんが、誰かはわかりません」と発言し、相手にスパイ容疑をかけて挑発してみせた。

 ニュージーランド代表に快勝したあとも、エディー節は変わらない。

「(スティーブ・ハンセンHCが)オールブラックスの指揮官じゃなくなるのは寂しいが、トヨタ自動車で(HCを)やると聞いています。トヨタ(のチーム)は速くなるでしょうね。(ワールドカップのオフィシャル)スポンサーじゃない企業の名前を挙げてしまってトラブルになるかもしれないが、日本ラグビーのためになる」

 相手チームの指揮官の去就を暴露したのである。

 ジョーンズHCは時事ネタも織り交ぜて話すことが多く、それも人々の関心を誘う。アメリカ代表戦の前には「相手チームには15人のトランプ大統領がいる」と話し、勝利したあとは「(イングランドのEU離脱問題を指す)Brexitでゴタゴタしているイングランドに明るい話題が提供できてうれしい」と語った。

 2016年11月、テストマッチで南アフリカ代表との対戦を控えたジョーンズHCは、こう発言した。

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