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ラグビー日本代表が歴史を変えた!
勝因は「果敢なアタック」と「我慢」 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 齋藤龍太郎●撮影 photo by Saito Ryutaro

 前半6分、警戒していたSO(スタンドオフ)フィン・ラッセルのキックパスから崩され、スコットランド代表に先制トライを許す。しかし、日本代表に動揺はまったく見られなかった。

 勝ち点的に不利なスコットランド代表は、序盤から攻めてくる――。そのことは、試合前からわかっていた。

「(スコットランド代表は)9番、10番、15番がキープレーヤー。(キックを蹴って相手にボールを渡してしまうと)彼らはアンストラクチャー(陣形が整っていない状態)が強い。だが、僕らのアタックは世界一、スピードもある。だから、自分たちが一番強いものでぶつかった」

 SO田村優(キヤノン)はボールキープに徹し、テンポよく攻撃を続ける作戦に出た。ハイパントキックを多用したサモア代表戦とは、まったく違うプランだった。

 その果敢なアタックが、前半18分に実を結ぶ。ラインアウトからボールを継続し、左サイドでCTB(センター)ラファエレ ディモシー(神戸製鋼)のパスを受けたWTB(ウィング)福岡堅樹(パナソニック)が持ち前のスピードで駆け上がった。タックルされながらもパスでつなぎ、最後はWTB松島幸太朗(サントリー)がトライ。田村のゴールも決まり、7−7の同点に追いついた。

 さらに前半23分、相手ボールのスクラムでペナルティを誘うと、再び日本代表は勢いづく。そして前半26分、松島がキャッチしてからボールを継続させると、最後はHO(フッカー)堀江翔太(パナソニック)→LO(ロック)ジェームス・ムーア(宗像サニックス)→FB(フルバック)ウィリアム・トゥポウ(コカ・コーラ)→PR(プロップ)稲垣啓太(パナソニック)とつないで、ピッチ中央にグラウンディング。稲垣の代表初トライで逆転に成功した。

「みんながつないでくれた。一番いい舞台で、いい形でトライを獲らせてもらった。(チームとして)理想のトライです」(稲垣)

 前半のボールポゼッションは74%、テリトリー(陣地)の支配率も75%。キックはほとんど蹴らなかった。だが、日本代表はここぞという場面でキックをうまく使い、さらにトライを奪う。

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