田村優は前回W杯より大成長。運命のスコットランド戦へ「爆発する」 (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 日本としてはディシプリン(規律)を守り、PKをできるだけ、少なくしたい。その上で、逆に敵陣でPKをもらえば、田村がPGを蹴り込むことになる。PKの多寡、パントキック&キック処理、プレースキックの精度が勝敗を左右することになる。

 試合の見どころのひとつが、ハーフ団(SH、SO)の対決となる。田村は「ONE TEAM」を強調する。

「個人的には、ひとりがどうのこうのではなく、31人の選手にスタッフを含め、全員で、この1週間を、過去最高の準備期間にしたい」

 さあ、スコットランドへの雪辱のチャンス到来である。場所は横浜国際総合競技場となる。選手たちに高揚感がのぞく。

「それぞれ思いはある。リーチ(マイケル主将)はテンションが上がってますし...。みんな、気持ち的な部分が、サモア戦が終わった時点でたかぶっていますし、僕自身もすごくたかぶっています。でも、みんな謙虚なので、しっかり準備して、土曜日は...」

 会見の司会の広報担当から「試合は日曜日」とやんわり修正されると、田村は「まっ、どちらでもいいですけど」と笑った。

「その、なんていうのだろう。みんな、爆発するはずです」

 気力充実。日本ラグビーの歴史を創る大一番だ。接近する大型台風の影響は気になるけれど、成長した司令塔が因縁の相手へのリベンジに燃えている。

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