松島幸太朗のカウンター発動なるか。
日本は優勝候補から大金星を狙う (2ページ目)
「アイルランドはキックでプレッシャーをかけてくるので、体格の大きいWTBが必要だと思った」
ジョセフHCの意図は明確で、身長188cmのトゥポウと山中のふたりを並べた恰好だ。
アイルランド代表のジョー・シュミットHCが「キッキングゲームはウチのほうが有利」と言うように、世界有数のSH(スクラフハーフ)と称されるコナー・マレーはボックスキック(SHからのハイパント)をタッチライン際に蹴り、日本代表を崩してくることは明白である。実際、アイルランド代表は9月22日のスコットランド代表戦でキックを多用し、それをキッカケにトライを挙げていた。
日本代表はディフェンス時、松島がFBの位置に入り、タッチライン際にトゥポウと山中が立つはずだ。ふたりはアイルランド代表戦のポイントを、ともに「キック処理」と答えている。ミスなく安定してキャッチできれば、相手の攻撃機会を減らすと同時に、指揮官がフェラーリに例えた「松島のカウンター」で攻めることもできる。
一方のアイルランド代表のメンバーは、FWとマレーの前9人はスコットランド代表戦と同じ。だが、初戦で負傷した昨年の世界最優秀選手SO(スタンドオフ)ジョナサン・セクストンはメンバー外となり、先発SOには8キャップのジャック・カーティーが入った。ただ、代表経験の浅いSOをサポートするべく、WTBには78キャップのキース・アールズ、FBには92キャップのロブ・カーニーが起用された。
日本代表にとって、セクストンの不在は朗報である。また、CTB(センター)陣のふたりも今大会がワールドカップ初出場だ。国際経験の浅い選手たちにプレッシャーをかけて、ミスを誘いたい。
アイルランド代表を迎えるにあたり、日本代表の選手やコーチ陣からよく出ていたキーワードは「ボールキープ」だ。ジョセフHCはこう分析する。「アイルランド代表に不用意なキックを蹴って、プレッシャーかけない形で相手にボールを渡すと、ポゼッションを返してくれない」。
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