ラグビー明治大、22年ぶりの頂点へ。新主将&新監督で春は帝京大を撃破
春から「紫紺のジャージー」の勢いが止まらない――。昨年度は大学選手権で帝京大に惜しくも20-21と敗れ、準優勝に終わった明治大学ラグビー部。今年は5年間指揮を執っていた丹羽政彦監督(現チームアドバイザー)が退任し、昨年からヘッドコーチを務めていた元日本代表&サントリー、そして明治大時代にキャプテン経験もあるOBの田中澄憲(きよのり)が監督へと昇格した。
明治大の新キャプテンに指名された福田健太 新体制で臨んだ4月30日の春季大会の初戦。明治大は選手権9連覇中の王者・帝京大と対戦し、終了間際のトライで17-14と逆転勝利を収める。明治大が帝京大に公式戦で勝利したのは、実に8年ぶりのことだ。田中新監督は「8年前の帝京に勝つのと、今の帝京に勝つのでは価値が全然違います。今の帝京にはまぐれではなく、しっかりプレーしないと勝てない。チームとしてスタンダードが上がっている」と語り、幸先のいいスタートを切った。
さらに明治大は、5月6日に行なわれた東海大戦も62-33と勝利。前半だけで8トライを挙げて4年ぶりに勝ち星を収めた。
「紫紺の軍団」の充実ぶりをライバルたちに見せつけた今年の明治大を引っ張っているのは、キャプテンのSH(スクラムハーフ)福田健太(4年)である。茨城の名門・茗渓(めいけい)学園中高出身で、スキルの高い攻撃的なプレーが彼の持ち味だ。帝京大戦ではディフェンスの強い相手に対して冷静にゲームをコントロールし、東海大戦では素早い飛ばしパスでトライを演出。エネルギー溢れるプレーでチームを牽引していた。
常勝軍団の帝京大に勝てたことについて、福田は喜びながらも冷静に振り返る。
「(大学ラグビーの)本番は秋ですが、帝京大学に勝てたことは、やってきたこと、積み上げてきたことが間違いではないと証明できました。でも、帝京大学も秋には仕上げてくる。慢心したらやられると思うので、勝ったことはひとつの自信にして、気を引き締めてやりたい」
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