サントリー、日本代表に続き、サンウルブズでも。流大が主将デビュー (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 昨年はサンウルブズに1週間の限定招集で出番がなかったこと、そして今回がスーパーラグビーのデビュー戦だったことを考慮すると、流は十分に及第点のパフォーマンスを見せたと言えよう。キャプテンとして、しっかりとチームを引っ張っていた。

 流は小学校2年のとき、福岡の「りんどうヤングラガーズ」でラグビーを始めた。高校は強豪・東福岡高への進学も考えたが、仲のいい先輩がいたことと、高校の監督に「将来の日本代表にする!」と熱心に勧誘されたことで、熊本の荒尾高(現・岱志高/たいし)に進学。3年次には主将を務め、チームを花園へと導いた。

 大学は帝京大に進学し、ここでもキャプテンとして大学選手権6連覇に大きく貢献。そして2015年、周囲からの大きな期待を受けてサントリーに入部する。だが、入団初年度はサントリーが過去最低の9位に沈み、失意の社会人スタートとなった。

 転機は2シーズン目にやってくる。日本代表コーチなどを歴任した沢木敬介氏がサントリーの監督として復帰。「スペースを見極める能力があるし、自分の意見を言えてハードトレーニングもできる」と、ルーキーイヤーは1試合しか先発しなかった2年目の流をキャプテンに据えたのだ。

 流は沢木監督とのコンビによって、さらなる成長を遂げる。サントリーを強豪チームへと蘇らせ、2016年度のトップリーグと日本選手権を制して2冠を達成。すると、ラグビー日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)から声がかかり、NDS(日本代表候補)合宿に招集されて、代表未経験ながらアジア戦を戦うキャプテンにも指名された。

 試合はもちろんのこと、練習でも常に率先して100%で取り組み、誰ともで積極的にコミュニケーションを取る――。ジョセフHCも流の人間性を、こう高く評価する。流の士気を高める行動はチームの結果にも結びつき、日本代表に定着した2017年はサントリーをふたたび2冠へと導いた。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る