南アの名将も惚れた。明大・山沢京平は
打倒・帝京&世界進出を目指す (2ページ目)
ホワイトは、2007年に母国の南アフリカ代表の監督としてワールドカップ(W杯)フランス大会で優勝を成し遂げるなど、世界的な名将として名を馳せる。トヨタの監督に就任してからは新人の姫野和樹を主将に指名するなど、大胆な手法でチーム改革に着手していた。
そんなホワイトがトップリーグで指揮を執る合間、明治大ラグビー部の八幡山グラウンドを訪問。そこで練習中の山沢の動きを見るや、一緒に来ていた採用担当者にこう迫ったという。
「今すぐ、(山沢を)獲得できないのか? チームにいたらすぐに起用する」
山沢の兄・拓也は昨年、筑波大の4年生ながらパナソニックの一員としてトップリーグの公式戦に出場。大学生トップリーガーとして話題を集めた。同じシーズン中に大学の公式戦にも出られる"二重登録"は認められなかったが、異例の試みとして注目を集めた。
ホワイトは兄の経緯を知った上で、弟の京平を自らの手で日本代表選手に育てたいと言わんばかりだった。
「日本のルールのことはよくわかりませんが、彼の兄は在学中にパナソニックに入っていたと思います。こういうことができるのか、また大学の監督がどう思うかはわかりませんが、これからはワールドカップもあります。今すぐには無理だとしても、可能性があれば来てほしい......」(ホワイト監督)
私立大学の体育会系に所属している選手の多くは、スポーツ推薦など特待生として入学している。そのため、大学生トップリーガーになるのは簡単な話ではない。
今年2月まで明治大で指揮を執ってきた丹羽政彦監督は「そのときになってみないとわからない」と前置きした上で、次のように語る。
「世界的な名将に評価してもらっていることはありがたいことです。もちろん、(山沢の)成長を妨げるようなことはしません」
一方で丹羽監督は、20代前半の選手が組織のリーダーを経験できる大学チームの魅力も認識している。また、海外の大学と提携することで、チーム全体が国際経験を積めるという考えもある。
「大学で世界に通用する選手を育てられたら......」
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