ラグビー早稲田大、初戦敗退で号泣。創部100周年の日本一はあるのか (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 後半6分、早稲田大は大型CTB(センター)中野将伍(2年)が縦に切れ込み、豪快なランでトライを挙げて18-21と3点差に迫る。だが、東海大はやはり強かった。8分にモエアキオラ、16分にタタフと立て続けにトライを許し、万事休す......。

「攻め込んでミスをしてしまって(トライを)獲りきれなかった。メンタル的にきつい部分もあった」

 試合後にキャプテンのLO加藤広人(4年)が言うように、相手に傾いた流れを取り戻すことはできなかった。結局、さらに2トライを許した早稲田大は18-47で完敗。「(2018年は創部)100周年だったので、日本一になって、2連覇に弾みをつけるシーズンにしたかったのですが......」と、加藤はがっくりと肩を落とした。

 春と夏の結果を考慮すると、ここまでチームを立て直してきた山下監督の手腕は評価すべき点もあろう。ただ、ラグビーは得点を競う勝負である。齋藤のテンポの速いボールさばきを軸とするアタック以外は、相手にとってさほど脅威となっていなかったように思えた。

 山下監督の師匠にあたる清宮監督が率いるヤマハ発動機のように、ゴール前でのモールを武器にするアイデアがあってもよかったかもしれないし、大胆にボールを渡さない戦略で戦ってもよかったかもしれない。組織的ディフェンスでも、早稲田大はまだまだ「1本の鎖」になれていない。

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