五郎丸歩の美しいシナリオ。ヤマハ初優勝の先にはW杯が待っている (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 数少ない海外組の日本人ラグビー選手として世界に挑戦したことについて、五郎丸は「長い人生において悔いありません」とキッパリと言った。「海外の(トップ)選手と日常からバトルしたことは、自分のなかで財産になりました」と語り、インターナショナルレベルと肌で触れ合い、ポジション争いをした日々は、決して無駄になることはないという。

 トップリーグ初優勝を目指すヤマハの清宮監督は、ワールドカップなどインターナショナルな環境で戦ってきた五郎丸の経験値に期待を寄せている。

 昨シーズン、ヤマハは開幕から12連勝を達成し、12月24日に勝てば優勝をほぼ手中にするサントリーサンゴリアス戦を迎えた。だが、その大一番でヤマハは力を発揮できずに24―41で敗北。初のトップリーグタイトルを逃すこととなった。両チームのメンバーを見ると、ワールドカップ経験のある選手はヤマハ4名に対してサントリー8名と、個々の選手の大舞台における経験の差が出たことは否めなかった。

「あと1勝すれば優勝というところで勝てなかった。何かが足りないから勝てないわけで、五郎丸が何かを持ってくるかもしれないので、チームの雰囲気を変えてくれることを期待している。経験のある選手がセービングやタックルをしたり、ひたむきなプレーやベーシックなスキルに気を配ったりすると、いい影響を与えてくれるんじゃないかな」

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