すごい女子高生がいた! ラグビー
初心者の大竹風美子が「東京の星」に (2ページ目)
中学を卒業後、東京高に進学。リオ五輪でも活躍したケンブリッジ飛鳥を育てた陸上の強豪校で、大竹は7種競技の選手として練習を積んでいた。
そんな彼女が、どうして楕円球と出会ったのか――それは、昨年春のバスケットボールの授業中でのこと。ボールを取り合っている生徒を見ていた大竹は、「無意識にボールを奪って、ドリブルしないで走ってしまった」という。まさしく、ラグビーの起源とされるイギリスのラグビー校で起きた「ウェッブ・エリス伝説」を彷彿とさせる、嘘のような本当の話である。
そこに、さらなる偶然が加わる。その授業を担当していたのが、1月の花園で東京高ラグビー部を初のベスト8に導いた森秀胤(ひでつぐ)監督だったのだ。授業後、森監督は大竹を呼び寄せた。
「もちろん反則でしたし、怒られると思ったら......。『いいものを持っている。ラグビーをやってみないか』と言われたんです」
夏にインターハイと高校陸上選抜大会を控えていたため、すぐに7種競技からの転向とはならなかったものの、「前から、性格的にはチームスポーツのほうが向いていると思っていた」と、新しい競技への興味を抱いていた時だった。
5000点超えを目標に挑んだ昨年夏のインターハイでは、砲丸投げで11m86、200mで25秒34と自己新記録を出して一時は首位に立つなど、5053点で6位に入賞した。「最後のインターハイで5000点を出して、やり切った感じがあった」という大竹は、インターハイと同時期に開催されたリオ五輪セブンズの映像を見たことで、ラグビーの魅力に徐々に惹かれていくことになる。
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