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サントリー相手に今季最多4トライ。
帝京大が示した「学生王者」の誇り

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

「真っ向勝負」。そう表現するのにふさわしい試合だった。

 1月21日、大阪・東大阪市花園ラグビー場で「第54回・日本選手権」準決勝が行なわれ、全勝でトップリーグ制覇を果たした「社会人王者」サントリーサンゴリアスに、前人未踏の大学選手権8連覇を達成した「学生王者」帝京大学が挑んだ。

サントリー相手に帝京大は堂々とした戦いを演じたサントリー相手に帝京大は堂々とした戦いを演じた 1960年から「社会人vs.大学生」という構図で行なわれてきた日本選手権は、今年度で終了する。来年度の日本選手権から大学生枠はなくなり、トップリーグの順位決定戦を兼ねることになった。つまり、大学チームにとっては、原則的に最後の日本選手権である。

 サントリーの顔ぶれは、インターナショナルな猛者ばかり。選手のテストマッチを合計すると、帝京大戦の後半には一時「360キャップ」まで到達していた。そんなメンツを擁するだけに、序盤からサントリーが試合を制圧すると予想された。だが、「打倒トップリーグ」を掲げてチームを強化してきた帝京大は、キャプテンFL(フランカー)亀井亮依(4年)の「積み上げてきたものを全部出す」の言葉どおり、すばらしいプレーを披露する。

 鍛え上げられたフィジカルをベースに、帝京大はラン、パス、キックでボールを大きく動かすラグビーで、自陣から積極的にアタックを開始した。その手応えは、選手たちが「最初のコンタクトでいけると思いました」と声を揃えたほど。ターンオーバーからサントリーに先制トライを許すも、前半14分にFB(フルバック)尾﨑晟也(3年)がカウンターアタックを仕掛け、最後はWTB(ウィング)吉田杏(3年)が日本代表FB松島幸太朗のタックルを外してトライ。7-7の同点に追いついた。

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