ラグビー日本代表HCジェイミー・ジョセフ。笑顔の裏に「強い自負心」 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 会見時、「奥さんと(4人の)子どもは日本に来るのか?」と日本語で聞かれても、「2週間(後)」と即答。ハイランダーズで4年間、薫陶(くんとう)を受けてきた日本代表SH(スクラムハーフ)田中史朗は、「ジェイミーの日本語は、エディー(・ジョーンズ前日本代表HC/現イングランド代表HC)より上手」と言っていたが、まさにそのとおりのようだ。

 サニックス時代に戦ったことのある元日本代表選手にジョセフHCとの思い出を聞くと、「お互いに熱くなってイエローカードをもらった」という。また、ニュージーランドの国内リーグでも常にライバルとして戦ってきたNTTコミュニケーションズのロブ・ペニーHCは、「彼はグッドマンですし、情熱的なコーチです。他の人と関係性を築くのがうまい」と、ジョセフHCの人柄を語ってくれた。

 対話を好むスタイルは、自分の信念と指導理論に基づき、強力なリーダーシップでチームを引っ張ったジョーンズ前日本代表HCとは、やや対照的に映る。会見に同席した日本ラグビー協会の坂本典幸専務理事は、「(ジョセフHCが)選手と対話を重ねて、そのなかで個々の選手のブランディングを作り、チームを作っていく」手腕を高く評価しているという。9月1日に来日し、すでにトップリーグの視察などを行なっているジョセフHCは、「2~3週間かけて、トップリーグの各チームのコーチや選手に会っていきたい」と語り、今週から本格的に始動することを明言した。

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