男子セブンズの快進撃が止まらない。メダル獲りへ王者と激突 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by JMPA

 小雨の降るなか、試合はキックオフされた。アタックの戦略は変わらずボールをキープすることだが、この試合では相手のエースに走るスペースを与えないように、前に出るディフェンスの意識を徹底した。その効果もあり、前半は1トライを許したが、0-7で折り返す。

 後半、キックオフを後方に蹴って相手にプレッシャーを与えたことがチャンスとなり、開始1分に相手の反則からトゥキリ ロテがトライを挙げて、5-7とした。その後、桑水流(くわずる)裕策キャプテンが「後半、(フランスは)足が止まるとわかっていた」と言ったとおり、日本はラインアウトの調子が悪かったものの終始ディフェンスで粘り、相手の自陣侵入をほとんど許さなかった。

 そして、迎えたロスタイム間近。日本はスクラムを起点に攻め込み、最後はラックから後藤輝也が中央に飛び込んでトライ。「前が空いていたので、自分で持って行けると思って滑り込みました!」(後藤)。トライ後、ブザーがなって坂井克行のゴールも決まり、日本が12-7で逆転勝利を飾った。

 男子セブンズ日本代表は、過去17シーズン毎年8~10大会行なわれているワールドシリーズでも、過去6大会行なわれている7人制のワールドカップでも、ベスト4に残ったことはなかった。初日にニュージーランドを倒したことも歴史的快挙だったが、リオ五輪での「ベスト4進出」が日本ラグビー界にとって、新たな歴史の1ページとなったことは間違いない。

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