2016.04.12

【ラグビー】日本男子セブンズ、見えてきたメダルへの道すじ

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  長尾亜紀●写真 photo by Nagao Aki

 どうしたって負けられない大会だった。参加国中、開催国枠のブラジルは別として、実力でリオデジャネイロ五輪の出場を決めているのは日本代表だけだった。地力の違いを発揮しての順当勝ちである。

香港セブンズ、コアチーム昇格大会に勝利した日本代表

「勝ててよかったです」と主将の桑水流(くわずる)裕策は漏らした。笑顔から汗が滴り落ちる。

「こんなところで香港相手に負けるわけにはいかなかった。リオオリンピックに向けて弾みがつくだけでなく、オリンピックの後にも道を作れてホッとしています」
 
 10日夕、雨上がりの香港スタジアムだった。7人制ラグビーの香港セブンズ・ワールドシリーズ(WS)コアチーム昇格大会の決勝戦である。相手は地元の香港、スタンドは「完全アウェー」の様相だった。その空気に飲まれたのか、日本は後半序盤、香港にトライを許し、リードを許した。スタジアム全体が歓喜で揺れた。

 でも、日本に焦りはなかった。『アティチュード(attitude)』、これが男子セブンズの日本代表のテーマである。取り組む姿勢、態度を意味する。桑水流主将が説明する。

「試合での心構えもそうです。下に落ちたボールは相手より先に体を張る、どんな時にも慌てないということです。逆転された時(の周りへ)の言葉は、”ノー・パニック”だけでした」

 ボールを持てば、必ずチャンスは訪れる。チーム全員がそう信じていた。逆転されて3分後、大小のパスで左右につなぎ、相手ディフェンスを揺さぶっていく。いまの日本の強みは、ボールを持たない選手もみんな、効果的に動いていることである。