【ラグビー】男子セブンズ、「空前の注目度」のなかのリオ五輪切符!

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu    志賀由佳●写真 photo by Shiga Yuka

 あのワールドカップ(W杯)での日本の大健闘から1か月。今度は7人制ラグビー(セブンズ)の日本男子が、来年のリオデジャネイロ五輪切符を獲得した。30歳の桑水流(くわずる)裕策(コカ・コーラ)主将が言葉に実感をこめる。

「ホッとしています。素直にうれしいです。日本のセブンズの新しい歴史を創ることができました」

アジア予選で優勝し、リオ五輪切符を獲得したセブンズ男子日本代表アジア予選で優勝し、リオ五輪切符を獲得したセブンズ男子日本代表

 8日、香港の夜空に「ホンコン・コール」が響きわたる。1万余の観衆で埋まった香港スタジアムでの五輪アジア予選の決勝戦。完全アウェーの異様な雰囲気の中、日本は10点をリードされて折り返した。今大会初めて相手にトライを許すという苦しい状況だった。桑水流主将が述懐する。

「アウェーの波に完全に飲まれてしまった。全然ボールを動かせなかった。ディフェンスでもペナルティーが多かった」

 だが、日本はこれまで課題とされてきた『修正力』をここで発揮する。ハーフタイムで桑水流主将はこう、声をかけたそうだ。

「ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)でファイトするのはタックラーだけにしよう。アタックではボールをもっと動かそう」と。

 日本は自分たちのラグビーを取り戻した。ひとことで言えば「走り勝つこと」、さらには「ディフェンスでは規律を守ること」である。日本の"走り勝つラグビー"を象徴するトライが後半2分に生まれた。

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