2015.10.22

エディー・ジャパン全57試合取材の記者が語る「英国での40日」

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

エディー・ジャパン 英国での40日(前編)
「現地で最初の公式会見、取材陣はたった10名だった」

南アフリカ戦で歴史的な勝利を挙げたジャパン。記者も現場で、初めて涙を流した
 まだまだイングランドで熱戦が続いているラグビーワールドカップ(W杯)。ラグビー日本代表は予選プールで南アフリカから金星を奪うなど3勝1敗の好成績だったが、勝ち点の差で3位に終わり、決勝トーナメントに進出することはできなかった。しかし、ラグビーの魅力を存分に伝えてくれた「エディー・ジャパン」。イングランドでの40日間を振り返ってみたい。

「日本代表を変える切り札」だと思っていたエディー・ジョーンズが2012年にヘッドコーチ(HC)に就任してから、実に57試合を全部、現地で観戦した。「W杯で勝利する日本代表が見たい」「ジョーンズHCなら何かしてくれるはず」という期待感から、ヨーロッパもアメリカも、すべて出かけた。結果、ここまでの成果を出してくれるとは......。私の想像を遙かに超えていた。ジョーンズHCのW杯での経験は伊達ではなかった。「すべてがW杯のための準備」という言葉を見事に実践して見せたW杯だった。

 選手たちは9月1日にイングランドに向けて出国したが、見送ったファンは数十人だったという。選手たちを追って4日の早朝に旅立った。5日、本番で2試合戦うグロスターのスタジアムで、大会直前、最後の試合があったからだ。相手はフィジカルに優れる東欧の雄、ジョージア。昨年11月にスクラムで完敗した相手にリベンジを挑んだ。しかもレフリーは本番のスコットランド戦を担当する人物を招聘。大事な一戦だった。8月、日本で行なわれたウルグアイとのテストマッチ1戦目にも南アフリカ戦を担当するレフリーを招くなど、ここまでの用意周到さは過去になかった。ジョーンズHCの「準備」の徹底に心意気を強く感じた。