【ラグビーW杯】オフ・フィールドで支える廣瀬俊朗の「チーム愛」 (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・写真 text & photo by Saito Kenji

 今年になってからはリーダーグループからも外れ、自分のプレーに集中する時間が増えていた。それでも、「オフ・フィールドの部分で貢献してほしい」というジョーンズHCからの期待を薄々と感じ取り、「みんなが今、どういうメンタルでやっているのか、疲れているのか、プライベートなことでポジティブになれない人がいるのか……といつも見ていました」と、プレー面以外で配慮することは忘れなかった。

 廣瀬のそのような気配りのおかげで、「チームの絆が強くなっている」とPR稲垣はいう。「キャリアを持っている人(廣瀬)が細かいことを言ってくれることは、フィールドにも返ってきている。細かいことが、基本の積み重ねに出るから」。

 パスをしたら走って、サポートして、タックルして起き上がり、規律を守り、反則をしない――。南アフリカ代表戦やサモア代表戦の勝利は、廣瀬のオフ・フィールドでの取り組み、そして練習に対する意識の高さが、あのパフォーマンスにつながったはずだ。

 高校日本代表、慶応大、東芝、そして日本代表とさまざまなチームで主将経験を積んだ廣瀬は、常に相手に「自然体」で接し、決して無理をせず、自分の思ったこと以外は言わないようにしているという。

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