【ラグビーW杯】日本代表を彩る「外国出身選手」の異色な経歴 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji  photo by AFLO

 ワールドラグビー(前・国際ラグビー評議会)は各代表チームに選出されるための条件として、その国のパスポートを持っている「国籍主義」ではなく、「所属協会主義」を掲げている。つまり、国や地域でプレーする際に所属する各国協会の代表選手として、ワールドカップに出場しているというわけだ。

 その理由は、「ラグビーの発祥地・イギリス出身の選手が世界を転々としていたため」という説もあるが、五郎丸が「これがラグビーだ」と発言したように、ラグビーはグローバルなスポーツとして、「所属協会主義」に基づいて代表チームが編成されている。

 その編成条件とは、該当国のパスポートを持たずとも、その国に3年間住めば代表選手になることができる、というもの。他にも、当該国で生まれるか、祖父母または両親のいずれかが当該国出身者でも、その国の代表選手になれる。

 その代わり、一度でも他国の代表(7人制も含む)としてプレーしていれば、当該国の代表としてプレーできない(※)。近年では「3年間は短すぎるのでは?」という議論もあり、近い将来は「居住5年」という条件になる可能性もある。ちなみに今大会、日本代表に選出されている5人の外国籍の選手は全員、5年以上日本でプレーしている。

※2016年のリオデジャネイロ五輪から7人制ラグビーが正式競技となり、すでに他国で代表キャップを持った選手でも、一度だけ所属する代表チームを変えることができるようになった。ただし、「ワールドシリーズやオリンピック予選に半分以上出場しないといけない」などのルールがある。現在、このルールで代表チームを変更し、今回のワールドカップに出場しているのはサモア代表のFBティム・ナナイ=ウィリアムズ(元ニュージーランド7人制代表)。

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