【ラグビー】W杯まで50日。勝利へ問われるジャパンの修正能力 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●文&写真 text & photo by Saito Kenji

 そんなフィジー代表に日本代表は「15人制をやる」(ジョーンズHC)と臨んだ。SH田中のタクトの下、FWの近場の持ち出しの「ピック&ゴー」と、優位と予想されていたセットプレーを軸に攻め、80分間中70分はゲームを支配。名将の指示通り、ある程度、戦略的に戦えていた。

 特にFW周辺では、海外組が勢いをもたらした。「味方がしっかり声を出してくれて、スペースもあったのでFWを前に出せた」とSH田中が言えば、FLリーチ主将も「冷静に考えてプレーできた。チーム内の連携も接点も、フィットネスも悪くなかった。自分たちのボールが出せた。あとは接点で人数をかけ過ぎないようにしたい。ワールドカップまで時間があるから、まだまだいける」と、一定の手応えを口にした。スクラムも相手の反則を何度も誘っていた。FW出身のジョーンズHCは「満足していませんが、FWはよくやっていた。相手を圧倒していた」と高評価を与えた。

 ただ、セットプレーとラックで圧倒したのに、なぜ勝てなかったのか――結論から言えば、ジョーンズHCが「ここ最近で一番酷い試合だった。BKの走るコース、キック、状況判断と悪かった。フミ(田中史朗)は良いプレーをしていたが、残りのBKは非常に悪かった。W杯のスタンダードではない」と評した通り、BK陣のケアレスミス、集中力の欠如が原因となった

 前半20分まではキックを上手く使い、ディフェンスで相手にプレシャーをかけて9-3とリード。だが20分からの7分間、主にBK陣がキックミス、タックルミスを連発して、相手にスペースを与えて3トライを献上。前半を終わって9―24となったことが、試合を難しくした。

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