【ラグビー】W杯まで50日。勝利へ問われるジャパンの修正能力 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●文&写真 text & photo by Saito Kenji

 昨年6月以来の代表戦となったSH田中、ケガから復帰したばかりのSO小野晃征らの息も合っていなかった。「ハル(立川理道)やコス(小野)ともっとコミュニケーションを取っていきたい。(SOの)立ち位置が浅すぎるかもしれないが、それは相手の陣形に応じて変えるということを練習からやっていきたい」(SH田中) ただSO小野が「何度もフミさんとはハーフ団を組んだことがあるので、そんなに時間がかからない」と言うように、この点に関しては、すぐに修正可能だろう。

 ジョーンズHCが掲げる日本代表の攻撃ラグビーはフィジカルや身体能力で上回る相手に、フィットネスで優位に立ち、数的有利を作ってチームで戦うのが信条。FWとBKが一体となって相手を崩し、BK陣のクイックハンズ(素早いパス回し)とランでトライをあげるラグビーこそ「JAPAN WAY(ジャパン・ウェイ)」である。

 BKが機能しない日本代表は、いわば片肺飛行のようなもの。この試合でも、後半22-27と追い上げて迎えた終了間際に相手がスクラムで反則し、2人がシンビン(10分間の途中退場)で数的優位になっても、FWは、BKに積極的にボールを展開することはなかった。試合の流れから見ても、BK陣がトライを取る姿が想像つかなかった。「(今後はゴール前で)BKと連携を取った戦術をとっていきたい」とFLリーチ主将は気丈に語っていたが、FW陣も、外から見ているものと同じ心持ちでなかったか。

 SH田中は「ミスをなくして、コミュニケーションを取って、スキルを上げれば、そんなに修正点はないのかな」と語り、FLリーチ主将は「(逆転負けした原因は)チームではなく、一人ひとりの判断ミス。今後はもっと厳しくやる。ピック&ゴーだけではW杯で勝てない」とキッパリ言った。

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