【ラグビー】リオ五輪を目指す女子セブンズ代表に「試練の時」 (2ページ目)
だが第2戦のカナダには0-54で大敗した。各組2位によるプレート(5-8位決定戦)の初戦の南アフリカには5-26で敗れた。セットプレイ、接点で圧力を受けると、途端にスピードが鈍くなる。フォローのスピード、パスのスピード、判断のスピード......。
最後の7・8位決定戦では、ライバル中国と激突した。前半失ったトライは、敵陣でのラインアウトのミスとノックオンからつながれたものだった。前半を0-14で折り返す。
タックルはみな、よくいった。小柄な鈴木陽子も体を張った。終了直前、やっとでテンポのいい連続攻撃を仕掛ける。PKからの速攻。最後は鈴木陽子から鈴木彩香とつなぎ、右隅に意地のトライを返した。
結局、5-14で敗れた。参加12チーム中の8位。よくやったけれど、結果は重い。浅見HCは言う。
「チームが万全じゃなかったけれど、選手たちはよくやってくれました。ただ、自分たちが思ったラグビーができなかった。シンプルに前に出ることだけをやってきたんですけど、ちょっと逃げたかな。選手に迷いがあったのかもしれません」
たしかにチーム状態は悪かった。昨年のワールドカップ(W杯)予選と比べると、片嶋佑果や冨田真紀子、三樹加奈ら主力がケガで抜けている。だが、こういう時こそ、チームとしての「経験値」を上げるチャンスである。
試合では、個々の経験値のばらつきがモロに出た。とくにFW。スクラム、ラインアウトは崩された。さらに戦術の理解度に差があるので、フォローが遅れ、連係プレイが機能しなかった。ラックでボールを奪われ、ディフェンスもちぐはぐとなった。
鈴木彩香は言う。
「今回はベストメンバーじゃなかったこともあって、ゲームの中のナマモノという感覚で(臨機応変の)プレイができなかった。ちょっと個人プレイに走ってしまったのかな、と思います。でも、だからこそ、チームとしては経験値を積めたと思います」
日本がやってきたことは間違ってはいまい。チームとして、もがき苦しみながらも、着実に成長している。だが、中国や他のアジアのチームも同じように成長している。今回、中国もベストチームではなかった。ただパス技術の上達には驚かされた。
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