【ウィルチェアーラグビー】躍進の4位入賞も「このままじゃ終われない」
エースとして初出場した池崎大輔選手 ミックスゾーンに引き上げてきた選手たちは、敗北感に打ちのめされていた。徹底したマークにあったエースの池崎大輔は「点を取るハイポインターの役割を果たせなかった」と声を震わせ、その池崎とのコンビネーションを封じられた仲里進は「相手のメンバーチェンジに素早く適応することができず、激しいプレッシャーの中でミスが出てしまった」とため息をついた。
ロンドンパラリンピックのメダルを期待されていたウィルチェアーラグビー日本代表。最終日の3位決定戦でアメリカに53‐43で敗れ、8カ国中4位に終わった。
「全員が最後まであきらめない気持ちを持って戦った。悔いはない。でも、正直、メダルが欲しかった」
3度目のパラリンピックの戦いを終えたバイスキャプテンの三阪洋行は、こらえきれなくなった涙をあふれさせながら、心境を語った。
過去2度のパラリンピックは、アテネ8位、北京7位と惨敗だった。4年前と比較すれば、4位という順位は、躍進と言っていいのかもしれない。しかし、日本代表は2010年の世界選手権で銅メダルを獲得し、その後はロンドンでの"メダル獲得"を合い言葉に月1回の強化合宿、年2回の海外遠征を重ねてきた。「やれることは全てやった」とは、3シーズン、アメリカで武者修行を積んだ仲里進。だからこそ、彼らは「メダルを取らなければここに来た意味がない」(池崎)、「4位はただ参加することと同じ」(官野一彦)とうつむいた。
トップの牙城を崩さなければメダルを獲得できない。準決勝でオーストラリアに敗れ、世界1位アメリカと銅メダルを争った日本代表は、痛いほどそれを感じただろう。決勝はオーストラリアがカナダを66‐51で破り、見事に金メダルを獲得した。
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