張本智和が中国勢や韓国のエースを次々と撃破で準優勝 中国のトップとの距離と課題についても語った (2ページ目)
【中国の次世代エースとの「ベストバウト」】
そして、今大会の「ベストバウト」とも呼べる試合が準決勝で繰り広げられる。相手は世界ランキング2位の林詩棟(中国)で、今季のWTTシリーズ終盤に優勝を重ねた、19歳の次世代エースの最有力。強烈な両ハンドを武器にする相手に日本のエースが挑んだ。
張本はサービスから強烈なドライブを返されるなど、林詩棟に第1、2ゲームを奪われる。
「(セットカウント)0ー3になると、正直ほぼ負けになってしまうので、何があっても3ゲーム目は獲りたいと考えていた」
そんな張本が状況打開のために多用したのが、今大会で有効だったフォアハンドだ。林詩棟のバックは、張本が「今日は正直、バックでは勝てなくて。バックで勝てないのは彼と王楚欽と樊振東くらい」と舌を巻くほど猛威を振るっていた。それに対して張本は、フォアやサービスを軸に修正を図った。
第3ゲームの3ー4のビハインドから5連続ポイントを奪うなど、優位に試合を進めて11-8で奪取。「(流れを)変えるといってもがむしゃらに変えるわけではないですし、根拠を持って戦術を変更できたと思います」と、厳しい局面でも冷静さが光った。
その後、張本はさらに1ゲームを奪い、3-3のフルゲームまでもつれ込む激闘となる。点の取り合いとなった最終第7ゲームでは、9ー10と一度はマッチポイントを握られながらも、林詩棟のバックをつくサービスでデュースに持ち込み、最後も11ー10からフォアで押し切った。
張本は壮絶な戦いを制したあと、「樊振東や昔の馬龍はこういう試合ばかりしていたと思いますし、僕もその次元に足を踏み入れたい」と振り返りながら、中国のトップとの距離について言及。「彼らを完全に上回るところまではまだ見えてないですが、4-2、4-3で勝つための努力はできる」と、その領域に近づいていきたいと語った。
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