パリオリンピック卓球女子団体準決勝へ 三者三様「私が取る!」という自覚で目標は金メダル (3ページ目)
5分がやっとだった練習は、1時間できるようになった。しかし、練習の入りは通常、試合の1時間半前だが、この日は4、5時間前。治療、アップ、テーピング巻き直しなどに時間はかかる。100%であるはずはない。
「金メダルという目標があるので、痛みだって耐えられます。めげていられない。いろいろサポートしてくれた方にも、結果で恩返しできたらいいなと思います」
早田は前のめりになって、言葉に気持ちを込めた。ただ、悲壮感はない。ケガをしていても、できることがひとつ増えるたび、「やっぱり、卓球って楽しいなと思いました」と明るい声で言う。高潔で不屈、黄金の精神を感じさせる選手だ。
三位一体というより、三者三様が力になっている。
〈金メダル〉
その1点で、強く結びつく。8月8日、彼女たちはメダルをかけて準決勝ドイツ戦に挑む。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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